スパイスと砂糖と、(後編)
スリランカは言わずもがなセイロンティーで有名な国であり
アフタヌーンティーに限らず紅茶をよく飲みます。
起き抜けに一杯、午後に一杯、お客さんが来たら一杯、といった具合に。
ミルクを入れたり、ジンジャーを入れたり飲み方は様々ですが
共通しているのが砂糖がたっぷり入っていること。
初めて家を訪れた時紅茶に何を入れるか聞かれたので「ミルクだけでいいよ」と答えたら
「え、マジで?砂糖いれないの?」と聞かれたくらいです。
(以来「ジャパニーズは辛いもの食べられないけど苦い飲み物は飲めるよ!」と謎の主張を彼にしています。)
ちなみにコーヒーも1回もらいましたが、それにも砂糖がたっぷり入ってました。
別にスリランカに限ったことではないと思いますが
この国は辛いものは辛すぎるくらい辛いし、甘いものは甘すぎるくらい甘い。
じゃあ日本のがいいのかと聞かれれば、そうとは言い切れない。
というのもこの熱帯地域では辛いカレーが、甘いミルクティーが暑さでバテた身体にちょうどいいのです。
といったことを日本で観たTED x Kyotoの動画を思い出しながら考えてました。
Reasons for religion -- a quest for inner peace | Daiko Matsuyama | TEDxKyoto
(現役の僧侶である松山大耕師が日本人の宗教観についてプレゼンしています。)
この方はインドの気候と日本の気候をそれぞれ再現した部屋で同じ参加者にインドカレーと日本のカレー両方を食べてもらい
インドの気候ではインドのカレーが、日本の気候では日本のカレーが好まれることを証明したそうです。
食や生活様式にはどちらが進んでいる、遅れているというものもなく、国の気候や風土など諸条件にあったものが最終的に残っているのだと思います。
スリランカ含め南インドの人がカレーを手で食べることに対して「行儀悪い」あるいは「文化の違いだなぁ」といった感覚があるかもしれませんが
文化どうこう言うまでもなく、(日本と違って)水分が少ない米を(日本と違って)さらさらしたカレーと混ぜて食べるには手の方が楽で、むしろスプーンを使う方が食べづらさを感じます。
「スリランカはシャワーが水しか出ない」と言われると「え、そこまで進んでないのか」という印象を抱きますが
(もちろん技術的側面はあるものの)こんな暑い国ではそもそもお湯のシャワーを浴びる必要がないのです。
考えてみれば当然のことですが、この国に来るまでは気づくことがありませんでした。
現在は日本に居ても異文化を知られるさまざまな情報媒体や機会があります。
しかしそこから情報を得ているだけでは私たちはあくまで異文化を“知った”だけでしかなく
実際に現地の人と同じ条件で、同じ目線で体感してみるまで“理解”することは難しいのだと思います。
だから海外に出て現地で生活してみることは大切と言われるのかもしれません。
私を泊めてくれたアイセックメンバーは
「これがアイセックのやりたいCross Cultural Understandingだよね」とある時言いました。
アイセックが"海外"インターンシップにこだわる理由はそこにもあるのだと思います。