スリランカの交通ないものばなし。
久々の更新です。
ここ1か月は就活に奔走したり他に現を抜かしていましたが
余裕が出てきたのでブログ更新を再開します。
(更新していなかった期間もGoogleやヤフー検索から飛んだ人が読んでくれていたりと
「スリランカに興味ある人の参考にしてほしい」という思いが少し叶っていて嬉しい限りです!)
今回はスリランカ滞在2週間目くらいから溜めていたネタ、
スリランカの交通機関について書きたいと思います。
海外に行くにあたって交通機関の違いというのは楽しみの一つですよね!
この国の主な交通手段はトゥクトゥク・バス・鉄道になります。
これは東南アジアでも一般的だと思いますが、スリランカの場合は特に「機械がとにかくない」というのが大きな特徴です。
この記事ではそれぞれの交通機関での「ないもの話」をとりあげていきます。
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Case1:メーターのないタクシー
後部に(法律上)3人乗ることができるバイクタクシーです。
(実際は節約のためいかに多くの人が乗れるかが勝負になります。私も頑張りました。笑)
赤、青、緑、黒の車体に、運転手が自由に装飾をしています。
青で統一した装飾や
ボブ・マーリー好きまで(ボブ・マーリー信者なドライバーは結構見かけました。)
トゥクトゥクは他の国でも乗れますが、スリランカの場合メーターを導入しているものがまだまだ少なく、運転手と値段交渉をするのが常です。(ほとんどの運転手は英語少し話せます。)
当然ながら観光客はぼったくられやすいので注意してください。
観光地ゴールなどを除き1キロあたり50Rs(スリランカ・ルピー)が相場です。(深夜は日本のタクシー同様値上がりすることも。)
ただメーターがないからこそ運転手とのやりとりを楽しめる部分もあるとは思います。
やりとりと言っても
「日本から来たの?どの市?」などと楽しく会話するだけではなくて
相場が高い観光地の運転手に値下げをおねだりしたり、
値段交渉で喧嘩に至ったり、
などと面倒なやりとりもいっぱいです。
けれども日本では基本的に示された金額をそのまま受け入れることが日常なので
「わかったわかった。君たちはラッキーだよ」なんて言われながら
値段の勝ち負けをかけてじりじり話し合うのも面白いポイントの一つかもしれません。
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Case2:精算機のないバス
トゥクトゥクはどこでも乗れるので便利ですが、バスは圧倒的に安い交通機関です。
表示が何もないので初心者にはハードルが高いですが、慣れると安く移動できます。
この国は精算機がないので、運転手の他に集金係のおじさんが乗っています。
スリランカのバスはエアコンがないことと彼らによって「アツい」ものになっています。
スリランカには時刻表やバス停の標識は基本的にありません。
バスがやって来ると集金係の人が停車駅をすごい速さで叫びます。
山手線外回りで言うと
「渋谷原宿代々木新宿新大久保高田馬場!!!!!」
関西の方向けに言い換えると
「大阪天満桜ノ宮京橋大阪城公園森ノ宮!!!!!」(環状線外回り)
といった具合。
もちろん聞き取れるはずがないので、私の場合「秋葉原!!!」といった感じに降りたい駅だけを叫んで聞いていました。
(バスはトゥクトゥクと比べ英語話せない事の方が多かった気がします。)
停車時間は10秒もない(厳密には減速だけで停まらない)のでいそいそと乗り、ザ・南アジアなBGMが流れる暑い車内へ。(BGMの有無はバスによります)
発車すると集金のおじさんが回ってくるので、降りるバス停を告げてお金を渡します。
ものすごく混んでいるバスでも回ります。全員分回収できているのがすごい。
彼らはすごく険しい顔をしているので見た目は怖いですが
席が空けば「あそこ座りなよ」とジェスチャーしてきたり、私が降りる瞬間「WELCOME JAPAN!!!」と声をかけてきたり、親切で可愛いところもあります。
そしてバス停に着けばドアから顔を出し、バス停の名前を叫ぶ。
スリランカのバスは彼らのおかげでにぎやかです。
精算機付きのバスが普及すれば彼らはどこに行っちゃうのだろうと思うと
このままであって欲しいという思いも湧いてきます。
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Case3:ドアのない電車
路線の数は多くないですが、スリランカの主要地は(特に海岸部)電車で移動できます。
路線バスとそこまで所要時間が変わらないので地元民にとって日本ほど主流な移動手段ではありません。
改札機はないので窓口で切符を買い、降車駅を出る際駅員に見せます。
鉄道に限らずバスでもそうなのですが、スリランカの交通機関で大きな特徴として
ドアが閉まりません。
(東京ではホームドアが普及してきているというのに!)
安全的に問題大ありなこともお構いなしにスリランカ人は入り口ギリギリのところに立ったり、車両から身を乗り出しています。
上の写真はクロスシート(新幹線タイプ)の車両。下はロングシート(電車タイプ)の車両。
日本より遅いとはいえ、あの大きなドアを開けたまま走るのはちょっと怖い。
でもこのドアというちょっと特別な枠で見る景色がなかなか良いんです。
(コロンボの川や池は緑色。)
ある時は村の生活を見せ、
時には綺麗な浜辺の夕日を見せる。
電車のドアの向こうで移り行く景色は映画の色々なシーンを見せられているようですが
ぜんぶこの国で営まれる生活の一部であり、誰かの日常です。
「あの人は何をしているのだろう?」
「これから家に帰って夕飯を支度するのだろうか」
日本ではぼーっと眺める電車の外の景色ですが
スリランカの電車入り口に立ち直接見ると
クリアな視界や音、匂いによって外の生活がリアルに伝わってきます。
本来出発地と目的地をつなぐだけの鉄道ですが
この国ではその間の土地も伝えてきてくれる、とても魅力的な乗り物です。
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スリランカはまだまだ発展段階なので、機械化が進んでいないものはたくさんあります。
しかし機械がやってくれないからこそ、そこに生まれるものも確かにありました。
今回は「ないもの話」をしましたが、日本になくてスリランカの交通機関にあるものもあります。
また機会があればぜひ。